まず全体を見ます。先週(8/24〜30)の売上は 635,010円。前週(8/17〜23)の 647,940円から −12,930円、−2.0%。数字だけ見れば「ほぼ横ばい」です。ここで報告を終える人は少なくありません。ところが内訳を開くと、様子がまったく変わります。
図D 全体の増減額 −12,930円に対し、減少した商品の合計は −84,960円、増加した商品の合計は +72,030円(講座データで実測)
減った商品の合計は −84,960円、増えた商品の合計は +72,030円。全体のわずかな減少は、8万円規模の増減が打ち消し合った結果でした。「横ばいでした」で片づけると、この動きをまるごと見落とします。
POS売上分析Copilotの答え方 全体の増減と商品別の内訳を同じ集計結果から出し、どちらも根拠表つきで表示します。「減った商品だけを並べて、全体が8万円落ちたように見せる」ことが起きません。
減少額の2位は明太子おにぎり、−30,600円。全体を眺めているだけでは気づけない大きさです。どこで落ちたのかを確かめるために、この商品だけを日別に開いてみます。
図E 明太子おにぎりの日別売上。先週のうち2日が販売0で、翌31日には元の水準に戻っている
理由ははっきりしています。8月27日と28日が販売0。前週は毎日3,600〜7,800円売れていた商品が、2日だけぴたりと止まっている。ここで「欠品ですね」と書きたくなります。でも、このCSVに在庫データは入っていません。売れなかったのか、そもそも置いていなかったのか、POSだけでは区別がつかない。断定すれば、確認されていない原因が報告書に載ります。
POS売上分析Copilotの答え方 「8/27・8/28 は販売0」を事実、「欠品・売場変更・販促終了の可能性」を仮説、「在庫履歴と発注記録を確認する」を次のアクションとして、はっきり分けて返します。データにないことは、データにないと言います。
週次報告に必要なのは、数字で言えることと、追加確認が必要なことの線引きです。そしてこの線引きは、店が変わっても同じように使えます。
講座の各自実習では、別のサンプル——カフェ「E店」——で同じ分析を試します。E店の先週は全体 −200円(−0.0%)。D店以上に「何も起きていない」ように見えます。
図F 各自実習で使う別サンプル(カフェ「E店」)。全体はほぼ横ばいでも、商品別では大きく動いている
それでも内訳を開けば、ホットドッグが −24,750円、ガトーショコラが +19,250円。まったく別の方向に、それぞれ2万円規模で動いていました。全体の数字だけを見て「今週は特に何もありません」と報告していたら、どちらの動きにも気づけません。
ここで身につくこと 「全体が変わらない=何も起きていない」ではない、を自分の手で確かめます。同じ関数が別の店のデータでもそのまま動くことも、ここで体験します。