第195話|最近多いケーススタディ②「広告・販促の最適投資配分」

第195話|最近多いケーススタディ②「広告・販促の最適投資配分」

データを使い販売力を効率的に高めるセールスアナリティクスには、3つの典型的なテーマがあります。

  • 新規顧客の獲得
  • 既存顧客の離反阻止
  • 既存顧客の取引額拡大

もしくは、3つを区別せず「売上」や「利益」、「コスト」という感じで合算して数字を分析する感じになるかもしれません。

そういう意味では、典型的なテーマは3つではなく4つと言えるかもしれません。

その中で、最近多いケーススタディを何回かに分けて紹介していきます。

今回は、「広告・販促の最適投資配分」のお話しをします。

昔からあるデータ分析・活用の一つです

広告・販促の最適投資配分」は、昔からあるデータ分析・活用の一つです。

従来からあるオフライン系(テレビCMや新聞広告、折り込みチラシなど)と、ここ20年増えたオンライン系(インターネット広告)がミックスされた状態になっています。

法人向けにビジネスをしている企業の場合、そこにイベントが追加されるケースが多いです。

イベントも、他社開催のカンファレンスから自社開催のハンズオンセミナーもあれば、オンラインのウェビナーなどもあります。

3つの典型的なテーマすべてに該当しますが、今も昔も多いのが「新規顧客の獲得」のデータ分析・活用です。

最近は、法人向けにビジネスをしている企業と一般消費者向けにビジネスを実施している企業とも、営業パーソンや販売員(相談員)につなげるために実施しているケースが多い印象です。

典型的なアウトプット

「広告・販促の最適投資配分」の典型的なアウトプットは、次のようなものです。

広告・販促の最適投資配分」で用いるデータ分析手法は、昔からある数理計画法という最適化のための手法を使います。

数理統計学や機械学習などとは一線を画する感じがしています。

そのため、馴染みのない方も多いかもしれませんが、非常に有効な手法なため覚えておいて損はないでしょう。

最大化 or 最小化

ざっくり2通りの最適化が考えられます。

1つは、「投資コスト一定のもとで売上最大化を目指す」最適化です。

もう1つは、「売上一定のもとで投資コスト最小化を目指す」最適化です。

解が異なってきますので、実情に合わせて選択しましょう。

遅延効果(タイムラグ)や累積効果

広告・販促の最適投資配分」は、時系列性を考慮して構築するのが一般的です。

理由は、広告・販促には遅延効果(タイムラグ)や累積効果などがあるからです。

遅延効果(タイムラグ)は、例えば、今日見たテレビCMの影響が明日の購買行動に遅れて影響を与えるものです。

累積効果は、例えばテレビCMを何回か見ることで購買意欲を高め、購買行動に駆り立てる効果です。

利用するデータ

広告・販促の最適投資配分」で利用するデータは、投資コストのデータや広告の露出データ、インターネット系のデータ、イベント系のデータ、受注データなど多岐にわたります。

最低限、投資コストと受注に関するデータは必要になります。

必ずどこかにあるデータです。

関係部署や協力会社などと協力してデータを集め整備する必要があるため、多少手間になります。

そのため、日ごろからある程度データ整備されていれば、「広告・販促の最適投資配分」というデータ分析・活用は比較的実施しやすいですが、そうでない場合には、データ整備のための時間的なコストがそれになりに必要になります。

店舗系のビジネスを展開している場合

店舗系のビジネスを展開している場合には、既存店のキャンペーンや販促活動の最適化のためのデータ分析・活用に該当することでしょう。

例えば、地理情報と組み合わせることで、キャンペーンの種類に応じて、利きやすいエリア(もしくは店舗)、利きにくいエリア(もしくは店舗)などを知ることができ、きめ細やかなキャンペーンや販促活動に利用できます。

今回のまとめ

今回は、「広告・販促の最適投資配分」のお話しをしました。

広告・販促の最適投資配分」は、昔からあるデータ分析・活用の一つです。

従来からあるオフライン系(テレビCMや新聞広告、折り込みチラシなど)と、ここ20年増えたオンライン系(インターネット広告)がミックスされた状態になっています。

ざっくり2通りの最適化が考えられます。

1つは、「投資コスト一定のもとで売上最大化を目指す」最適化です。

もう1つは、「売上一定のもとで投資コスト最小化を目指す」最適化です。

広告・販促の最適投資配分」は、時系列性を考慮して構築するのが一般的です。

理由は、広告・販促には遅延効果(タイムラグ)や累積効果などがあるからです。

広告・販促の最適投資配分」で利用するデータは、投資コストのデータや広告の露出データ、インターネット系のデータ、イベント系のデータ、受注データなど多岐にわたります。