第295話|データで騙す預言者になる

第295話|データで騙す預言者になる

データは非常に強力です。わかりやすく、有無を言わさない破壊力があります。

ただ、おかしな使い方や見せ方で、人を騙すこともできます。恐ろしいことです。

たびたび目にするのが、0か1かのベルヌイ試行的なものです。

株価が上がる下がる、試合に勝つ負ける、売上が上がる下がる、離反するしない、故障するしない、受注するしない、などなど。

今回は、「データで騙す預言者になる」というお話しをします。

株価は上がるか下がるか

5日連続で株価が上がるか下がるか予言できたら、スゴイと感じるでしょう。

実際、バイナリーオプションという金融取引があります。

簡単にいうと、バイナリーオプションとは、為替相場や株価指数などを対象に、ある値よりも高いか低いかなど、二者択一で選ぶ取引です。

予測確率100%という触れ込みで、3200人の人を集め、毎日メールなどで配信することを考えます。

1日目

メールの対象者3200人を半分にし以下のようなメールを送ります。

  • 1600人に「上がる」と予測したメールを送る
  • 残りの1600人に「下がる」と予測したメールを送る

どちらか一方が真実になります。ここでは、「上がる」が真実になったとしましょう。

 

2日目

前日に「上がる」と予測したメールの対象者1600人を半分にし以下のようなメールを送ります。

  • 800人に「上がる」と予測したメールを送る
  • 残りの800人に「下がる」と予測したメールを送る

どちらか一方が真実になります。ここでは、「上がる」が真実になったとしましょう。

 

3日目

前日に「上がる」と予測したメールの対象者800人を半分にし以下のようなメールを送ります。

  • 400人に「上がる」と予測したメールを送る
  • 残りの400人に「下がる」と予測したメールを送る

どちらか一方が真実になります。ここでは、「上がる」が真実になったとしましょう。

 

4日目

前日に「上がる」と予測したメールの対象者400人を半分にし以下のようなメールを送ります。

  • 200人に「上がる」と予測したメールを送る
  • 残りの200人に「下がる」と予測したメールを送る

どちらか一方が真実になります。ここでは、「上がる」が真実になったとしましょう。

 

5日目

前日に「上がる」と予測したメールの対象者200人を半分にし以下のようなメールを送ります。

  • 100人に「上がる」と予測したメールを送る
  • 残りの100人に「下がる」と予測したメールを送る

どちらか一方が真実になります。ここでは、「上がる」が真実になったとしましょう。

 
この時点で、100人の方は、予測確率100%のメールを毎日受け取っています

5日連続で予測が的中したと感じるのではないでしょうか。

そうして、預言者は作られます。

その預言をするのがツールであれば、そのバイナリーオプション予測ツールが欲しくなるのではないでしょうか。

もともとこのメールに登録するぐらいですから、興味は高いため、コンバージョンレート(購入確率)は非常に高いものになると予想が付きます。

この商品やサービスはヒットしないと預言する

ヒット商品やサービスは、なかなか生まれません。

そのため、商品やサービスを出す前に、「ヒットしないよ」と預言するとだいたい当たります。

売れ難い大型商材で「このリードには売れない」と予測したり、離反され難いサービスで「この顧客は継続する」と予測したりするのは、だいたい当たります。

そんなの預言者ではない、その程度の預言者であれば信じない、と思われる方もいるかもしれませんが、注意深く世の中見ているとそうでもないことが分かります。

ワールドカップの預言タコ「パウル」が思い出されます。

預言タコ「パウル」

ドイツの水族館在住のタコのパウルが、サッカーの試合の勝敗を当てるというお話しです。

サッカーのUEFA欧州選手権とワールドカップの試合を高確度で当てたのです。

14試合中12試合も的中です。スゴイことです。

ただ、的中したのは、ほぼドイツの試合で、13試合中11試合を的中しています。どういうことでしょうか。

次のことが分かっています。

  • タコは横長模様を好む
  • ドイツの国旗は横長模様
  • ドイツはサッカーが強い

勝利率の高いドイツを「勝つ」と予測すれば、それなりの予測精度を持つ預言者に誰でもなれます。

志望校合格率90%

高校受験や大学受験の塾や予備校などの中には、志望校合格率を掲げて生徒を集めるところがあります。

高校受験に限れば、志望校合格率はほぼ100%です。

塾に行っても行かなくても、志望校合格率はほぼ100%です。どの塾に行っても、志望校合格率はほぼ100%です。

なぜならば、高校受験した多くの人は高校に進学するひとが、ほぼ100%だからです。

志望校はコロコロ変わります。入試直前にも変わります。そして、受験した高校の多くは志望校です。本命も滑り止めも、志望したので志望校です。

気になるのは、最初の志望校に対する合格率でしょう。高校受験であれば、中学2年か3年生の春に志望していた高校です。

〇〇率(=分子÷分母)は、分母と分子の定義したいで大きく変わります。

今回のまとめ

今回は、「データで騙す預言者になる」というお話しをしました。

データは非常に強力です。わかりやすく、有無を言わさない破壊力があります。

ただ、おかしな使い方や見せ方で、人を騙すこともできます。恐ろしいことです。

たびたび目にするのが、0か1かのベルヌイ試行的なものです。

株価が上がる下がる、試合に勝つ負ける、売上が上がる下がる、離反するしない、故障するしない、受注するしない、などなど。

たまに、やばい使い方をしているものがあるので、気をつけましょう。