2,500年経っても本質は変わらないはずです。
データ分析の定義をやや広げ情報分析とした場合、その歴史は古く紀元前からありました。
私が新卒で就職したとき言われた古典があります。データ分析する上で、非常に重要な古典です。
もちろん、コンピューターなど無い時代ですから、小難しい数学が登場するわけでもありませんし、具体的な分析手法の説明があるわけでもありません。
しかし、いまだに読み継がれているには、きっと理由があるのに違いありません。
今回は、「分析官必読の世界三大古典」についてお話しします。
分析官必読の世界三大古典
私が新卒で就職したとき言われた、分析官が読むべき古典は、以下の3つです。
- 孫武『孫子』
- クラウゼビッツ『戦争論』
- 宮本武蔵『五輪の書』
書籍ですので、人によってどのように読み、何を感じ取り、どのうように実社会で活かすのかは異なります。
少なくとも、データ分析の世界では、活かせる内容だらけの書籍です。
孫武『孫子』
孫武は、紀元前の古代中国(春秋時代)の武将で軍事思想家です。孫子と呼ばれました。兵法書「孫子」の著者と言われています。
有名な言葉に……
- 彼を知り己ら ば、百戦殆うからず
- 天を知り地れば、勝は乃ち全うす
- 先に戦地に処りて敵を待つ者は佚し
- 後れて戦地に処りて戦いに趨く者は労す
……などなど。
私なりの解釈でデータ分析・活用に当てはめると……
データを含めた情報を上手く活用することで「過去の振り返り」と「現在の状況把握」、「未来の先読み」により、過去の失敗を二度と繰り返さず、勝つためのベクトル(方向性とリソース投入量など)を決め、データ分析活用を実践することになります。
クラウゼビッツ『戦争論』
しかし、データ分析をしていて、このような体験をしたことはないでしょうか?
- 分析結果同士が矛盾している
- 分析結果が、現実に起こっていることと整合しない
- そもそも、集めたデータからして違和感がある
クラウゼヴィッツは『戦略論』の中で、情報の危うさを指摘しています。
情報のほとんどは霧の中に包まれ分からず、情報のいくつかは間違っており、そして矛盾もある。したがって、人が正しい判断ができるように、精神の均衡を保つ必要がある
つまり、データ分析・活用は結局は人なのです。コンピューターでもAI(人工知能)でもなく、キーになるのは人です。
ちなみに、クラウゼヴィッツは、ナポレオン戦争時のプロイセンの軍人で、少将にまでなりました。単なる軍人ではなく、軍事学者(陸軍大学校校長も歴任)です。彼の死後1832年に『戦争論』が発表されました。
宮本武蔵『五輪の書』
宮本武蔵は、戦国から江戸時代初期の剣術家であり芸術家でもあります。
二刀を用いる二天一流兵法の開祖と言われ、13歳で初めて新当流の有馬喜兵衛と決闘し勝利し、以来29歳までに60余回の勝負を行い、すべてに勝利したと、言われています。
彼は次のようなことを言っています。
- 物事の景気と云事は我が智力強ければ必ず見ゆる所なり
- 物毎につき拍子は有ものなれども取分け兵法の拍子鍛錬なくては及びがたき所なり
先ほど、データ分析・活用は結局は人だと言いました。
では、特別な人が必要なのでしょうか?
宮本武蔵が「智力強ければ必ず見ゆる」と言っている通り、どうにかなるものだと思います。どうにかなると言っても、「鍛錬なくては及びがたき」と言うように、常日頃のそれなりのトレーニングが必要でしょう。
データ分析・活用は、人がキーだが、その人は特別な人ではなく、それなりの人がトレーニングを積めば何とかなる、そういうことだと思います。
今回のまとめ
今回は、「分析官必読の世界三大古典」についてお話ししました。
私が就職して、すぐに進められた書籍です。分析官必読の古典だと言われました。
以下の3つです。
- 孫武『孫子』
- クラウゼビッツ『戦争論』
- 宮本武蔵『五輪の書』
世界中でいまだに売られていますし、もちろん日本でも売られています。
読んで損はありません。分析ツールや分析手法などの書籍や、データ分析系の論文や専門書などを普段読まれている方におススメです。
今までと違った世界を垣間見れるかと思います。そして、データ分析・活用の考え方の幅が広がるかと思います。
お勧めです。