第119話|「ドメイン」は、データサイエンスを成功理に収めるために欠かせない

第119話|「ドメイン」は、データサイエンスを成功理に収めるために欠かせない

データサイエンスに対し、どのような印象があるでしょうか?

データサイエンス」の字面からだと、「データ」と「サイエンス」ということで、データを科学しているかのような印象があるのではないでしょうか。

大学などのアカデミアの世界では、それで問題ないかもしれません。

しかし、ビジネスの世界ではちょっと異なってきます。異なるというか、応用の側面が強くなります。

応用の側面が強くなったとき、データサイエンス上欠かせないものがあります。

「ドメイン」です。

もちろん、ビジネス以外のデータサイエンスでも、ドメインは非常に重要です。

今回は、「『ドメイン』は、データサイエンスを成功理に収めるために欠かせない」というお話しをします。

ビジネスにおけるデータサイエンス

そもそも、ビジネスにおけるデータサイエンスとは何でしょうか?

端的に申し上げますと、ビジネスの世界では「データとドメインを結びつける」のがデータサイエンスになります。

色々な定義や考え方があるとは思いますが、大きくは異ならないかと思います。

ここで「ドメイン」というワードがでてきます。

データサイエンスにおける「ドメイン」とは、データを活用する領域のことです。

例えば、営業活動やマーケティング活動、調達管理、在庫管理、生産活動などです。製造業の営業活動と、サービス業の営業活動が大きく異なれば、それぞれが別のドメインとなります。

紛らわしい「ドメイン」というワード

ドメインと言う用語は、データサイエンス以外でも使用されています。

使われる業界や分野が異なれば、その意味も異なります。

例えば……。

  • インターネットの世界では、ネットワークにおいて個々のコンピュータを識別する名称を意味します
  • 生物学の世界では、分類の最高位にドメインというものがあります
  • 数学の世界では、関数の定義域をドメインと言います
  • 経営学の世界では、事業領域のことをドメインと言います

探せば、色々な業界や分野で、別の意味として使われていることでしょう。

では、データサイエンスのドメインに近いのは、どのドメインでしょうか。

経営学とデータサイエンスのドメイン

データサイエンスのドメインは、経営学のドメインにやや近い気がします。しかし、経営学のドメインでは大雑把な気がしますし、ニュアンスもどこか異なります。

以下は、経営学のドメイン(事業領域)の例です。

  • IT事業
  • 電子部品事業
  • 検査機事業
  • 自動車部品事業
  • 物流事業
  • 教育事業
  • 介護事業
  • ヘルスケア事業

経営学のドメインをデータサイエンスのドメインとする不幸

データサイエンスをやり始めの企業多いのが、この事業領域レベルのドメインで、データ分析・活用を考えるケースです。

データ分析・活用の対象が広すぎます。

広すぎるため、何ができそうか、何をすればいいのかが思い浮かびません。

例えば、電子部品事業

電子部品事業でデータサイエンスをしろ!

……と言われ、何をすれはいいのか思い浮かぶ人は、あまり多くないでしょう。

思い浮かんでも、人によってバラバラでしょう。

例えば……

  • 電子部品を生産するための原材料や部品などの「調達」を思い浮かべる人
  • 電子部品の「歩留まり改善」(良品率の向上)を思い浮かぶ人
  • 電子部品の「営業活動」を思い浮かべる人
  • 電子部品の「在庫管理」を思い浮かぶ人

要するに、事業領域という意味での「ドメイン」は、データサイエンスのドメインとするには広すぎ、具体性に欠くのです。

このあたりのドメインを混同すると不幸が訪れます。曖昧模糊で誰も動けないからです。

データサイエンスのドメイン例

経営学のドメインを、もう少し内容を具体化・詳細化すると、データサイエンスのドメインに近づくでしょう。

例えば、電子部品事業とするのではなく、もう少し内容を具体化・詳細化し……

  • 電子部品の部品Aの生産工程における良品率向上のための歩留まり改善活動
  • 年間取引金額が大きく、かつ取引年数の長い上客の離脱阻止のためのマーケティング・営業活動
  • 国をまたいだ拠点間の輸送コストの削減のための輸送管理業務
  • 新規顧客獲得の営業活動を効率化するためのマーケティング・営業活動

かなり具体化されているのではないかと思います。

少なくとも、誰のどのようなお仕事に対するデータ分析・活用なのかは見えてくるのではないかと思います。

今回のまとめ

今回は、「『ドメイン』は、データサイエンスを成功理に収めるために欠かせない」というお話しをしました。

ビジネスにおけるデータサイエンスとは、「データとドメインを結びつける」ことです。

データサイエンスと聞くと、どうしてもデータに注目が集まりますが、ドメインも非常に重要です。データサイエンスにおける「ドメイン」とは、データを活用する領域のことです。

紛らわしいことに、色々な業界や分野でドメインと言うワードが使われています。

データサイエンスのドメインと近しいのが、経営学のドメイン(事業領域)です。しかし、この2つのドメインは異なります。データサイエンスのドメインに比べると、経営学のドメインはやや大雑把な感じがします。

不幸なことに、経営学のドメインデータサイエンスのドメインとしてデータ分析・活用を進めてしまい、上手くいかないケースが多々あります。

例えば……

電子部品事業でデータサイエンスをしろ!

……ではなく、

部品Aの生産工程における歩留まり改善のためのデータサイエンスをしろ!

……でないと、データ分析・活用はドライブしません。

電子部品事業」が経営学のドメインで、「部品Aの生産工程における歩留まり改善」がデータサイエンスのドメインです。

データ分析・活用を進めるとき、適時ドメインが問題ないかをチェックするといいでしょう。最初は、ドメイン探しの旅や明確化から始まると思います。