第185話|「このデータで、何ができるの?」という問いには気を付けよう

第185話|「このデータで、何ができるの?」という問いには気を付けよう

最近喜ばしいことに、データが蓄積される機会が増えています。

しかし、データがある程度蓄積されたとき、次のような問いがなされる場合があります。

  • このデータに対し、どのような分析をすればいいの?
  • どの分析手法で、何が解決できるの?
  • このデータで、何ができるの?

今回は、「『このデータで、何ができるの?』という問いには気を付けよう」というお話しです。

データは、どんどん溜まる

データは恐ろしいことに、どんどん溜まってきます。

溜め始めると、気づくととんでもない量になることも少なくありません。

そのため、ある企業では、ある一定期間が過ぎたデータを捨てたりします。

またある企業では、データを集約し(例:POSデータをレシート単位から1日単位に集計)、元のローデータを捨てたりします。

そして、あることに気が付きます。

このデータは何かに使えるかもしれない、ということに気が付きます。

このデータ、何かに使えるんじゃない?

昨今の、ビッグデータブームやデータサイエンス、機械学習、AIなどの耳障りのいいキーワードに乗せられ、「このデータ、何かに使えるんじゃない?」と問うてくる人も多いでしょう。

このデータ、何かに使えるんじゃない?」の次に来る問いが、先ほど挙げた以下の問いです。

  • このデータに対し、どのような分析をすればいいの?
  • どの分析手法で、何が解決できるの?
  • このデータで、何ができるの?

当然の流れのようにも思えます。

データ」を「にんじん」に置き換えたらどうでしょうか?

「データ」を「にんじん」に置き換えて考えてみる

帰宅したらたくさんの「にんじん」が家にありました。

このにんじん、何かに使えるんじゃないの?

料理」に使えるでしょう。

問題は、にんじんを使う料理メニューがたくさんあることです。

このデータで、何ができるの?

ほど挙げた以下の問いで、この「にんじん」の話しで置き換えてみます。

  • このデータに対し、どのような分析をすればいいの?
  • どの分析手法で、何が解決できるの?
  • このデータで、何ができるの?

次のようになりました。

  • このにんじんに対し、どのような調理をすればいいの?
  • どの調理法で、何(料理メニュー)ができるの?
  • このにんじんで、何(料理メニュー)ができるの?

このような問いを投げかけられたら、あたたは次にように思うかもしれません。

  • 何を作りたいんだ!
  • 何を食べたいんだ!

データサイエンスもデータ分析も機械学習なども同じです。

何をしたいんだ!

要は、データ分析・活用の「テーマ」の問題です。

冷蔵庫にある余り物でおいしい料理を作る

冷蔵庫にある余り物で、おいしい料理を作るには熟練した何かが必要でしょう。

蓄積されたデータから、気の利いたデータ分析をしたり、数理モデルを作り、パッパカ、パッパカ、パッパカとビジネス成果を出す人も同様に、熟練した何かが必要でしょう。

生まれたときから持ち合わせた才能もあるかもしれませんが、多くの場合、熟練した何かが必要です。

データから適切なデータ分析・活用のテーマを創造できる人は稀です。

1,2年や5,6年程度の経験値では、通常は無理でしょう。

ですので、、、

このデータで、何ができるの?

、、、という問いにが発せられたとき、次の問いをしましょう。

何をしたいんだ!

要は、データ分析・活用の「テーマ」は何ですか? ということです。

にんじんを使った料理メニューを列挙せよ!

何をしたいんだ!」という問いの回答が、次のような場合は最悪です。

このデータで、何ができそうか、列挙して、、、

にんじん」の例えで言えば、、、

にんじんを使った料理メニューを列挙せよ!

、、、という感じです。

要は、データ分析・活用の「テーマ」候補を列挙しろ! というのです。

無茶苦茶です。

データの存在を忘れよう!

溜まったデータの呪縛にとらわれたら大変です。

このデータで何ができそうかだけを考え、ものすごく視野が狭まります。

なので、一旦はデータの存在を忘れ、「お困りごと」を列挙するところから始めましょう!

その中に、素敵なデータ分析・活用のテーマが眠っています。

今回のまとめ

今回は、「『このデータで、何ができるの?』という問いには気を付けよう」というお話しをしました。

データがある程度蓄積されたとき、次のような問いがなされる場合があります。

  • このデータに対し、どのような分析をすればいいの?
  • どの分析手法で、何が解決できるの?
  • このデータで、何ができるの?

このような問いが発せられたら、次にように問いましょう。

何をしたいんだ!

要は、データ分析・活用の「テーマ」は何ですか? ということです。

データから適切なデータ分析・活用のテーマを創造できる人は稀です。

そのため、一旦はデータの存在を忘れ、「お困りごと」を列挙するところから始めましょう!

その中に、素敵なデータ分析・活用のテーマが眠っています。