第193話|最近多いケーススタディ①「リード(見込み顧客)の選別」

第193話|最近多いケーススタディ①「リード(見込み顧客)の選別」

データを使い販売力を効率的に高めるセールスアナリティクスには、3つの典型的なテーマがあります。

  • 新規顧客の獲得
  • 既存顧客の離反阻止
  • 既存顧客の取引額拡大

もしくは、3つを区別せず「売上」や「利益」、「コスト」という感じで合算して数字を分析する感じになるかもしれません。

そういう意味では、典型的なテーマは3つではなく4つと言えるかもしれません。

その中で、最近多いケーススタディを何回かに分けて紹介していきます。

今回は、「リード(見込み顧客)の選別」のお話しをします。

リード(見込み顧客)の選別

法人向けにビジネスをしている企業で最近多いと感じるのが、データを使った「リード(見込み顧客)の選別」です。

3つの典型的なテーマの中の「新規顧客の獲得」のデータ分析・活用に該当します。

もちろん、一般消費者向けにビジネスを実施している企業でも、同様のデータ分析・活用を実施できるケースもあることでしょう。

リード(見込み顧客)に優先順位付けを実施する

データを使った「リード(見込み顧客)の選別」では、新規顧客を獲得するときに、既存顧客のデータを用いてリード(見込み顧客)に優先順位付けを実施します。

一番シンプルなやり方が「マッチング」です。

各リード(見込み顧客)に対し、既存顧客と似ている度合いを計算し優先順位を付けます。

どの既存顧客と似ているリード(見込み顧客)を選びたいのか?

マッチングをするときに重要になるのが、「どの既存顧客と似ているリード(見込み顧客)を選びたいのか?」ということです。

例えば……

  • 契約年数の長い顧客に似ているリード(見込み顧客)を選びたい
  • 取引金額の大きい顧客に似ているリード(見込み顧客)を選びたい
  • 優良顧客に似ているリード(見込み顧客)を選びたい

……などです。

要するに、契約後になってもらいたい「顧客像」を決める必要があります。その定義を実施する必要があります。

気になる「受注のしやすさ」(受注確率)

さらに、既存顧客と似ている度合いだけでなく、「受注のしやすさ」(受注率)や受注した場合の「受注金額」などを合わせて計算するケースが多いです。

既存顧客と似ているからと言って、受注しやすいわけではありません。

リード(見込み顧客)の中には、既存顧客と似ているのに、受注しにくい場合もあります。

利用するデータ

利用するデータは、特別なものではありません。

一番簡単なのが、公開されている企業属性(例:業種業態、企業規模など)を利用する方法です。

他にも、公開されている有価証券報告書やプレスリリースなどのテキストデータを活用したりします。

さらに、マーケティングや営業活動時に取得したデータも使えます。

イベント参加や資料請求時に実施するアンケートデータやヒアリングデータなどです。名刺の交換枚数なども使えます。

今すぐ実施できるデータ分析・活用の一つ

リード(見込み顧客)の選別」は、今あるデータだけでも実施できるため、今すぐ実施できるデータ分析・活用の一つです。

また、店舗系のビジネスを展開している場合には、新規出店もこのデータ分析・活用に該当することでしょう。

例えば、地理情報と既存店舗のデータをもとに、売上などを予測したり投資回収評価をしたりし、新規出店の判断に活用します。

今回のまとめ

今回は、「リード(見込み顧客)の選別」のお話しをしました。

新規顧客を獲得するときに、既存顧客のデータを用いてリード(見込み顧客)に優先順位付けを実施し、ビジネスに活かします。

そのために、各リード(見込み顧客)に対し、既存顧客と似ている度合いを計算し優先順位を付けます。

さらに、既存顧客と似ている度合いだけでなく、「受注のしやすさ」(受注率)や受注した場合の「受注金額」などを合わせて計算するケースが多いです。

既存顧客と似ているからと言って、受注しやすいわけではありません。

リード(見込み顧客)の選別」は、今あるデータだけでも実施できるため、今すぐ実施できるデータ分析・活用の一つです。