第156話|誰でも使えるQC7つ道具その3(パレート図と特性要因図)

第156話|誰でも使えるQC7つ道具その3(パレート図と特性要因図)

データ分析・活用に慣れていない方にお勧めなのが、QC7つ道具です。

  • チェックシート
  • ヒストグラム
  • 管理図
  • 散布図
  • パレート図
  • 特性要因図
  • 層別

前々回は「ヒストグラム」と「管理図」について、前回は「散布図」について説明しました。

誰もが一度は、「ヒストグラム」や「管理図」、「散布図」を使ったことや見たことはあることでしょう(名前を知らなくても……)。

よくある使い方が……

  • 先ず、ヒストグラムや管理図などで1つの定量データの特徴を把握
  • その後、散布図で2つの定量データの関係を把握

……という使い方です。

ヒストグラムや管理図を含め、散布図などだけで十分にデータ活用できることも多いです。

このような分析を進めていくと、「どうなっているの?」「もっと知りたい!」など、どんどん深みに突き進むことはよくあります。そのとき、迷子にならずに深掘りすべきポイントを適切に定め、集計・分析を進めていくことは重要です。

7つ道具の中に、深堀すべきポイントや、データ間の関係性を整理する道具があります。

パレート図」と「特性要因図」です。

今回は、深堀すべきポイントやデータ間の関係性を整理する「パレート図」と「特性要因図」について、お話しします。

パレート図とは?

パレート図とは、数値の大きな項目から順番に並べたグラフです。

深掘りすべきポイントを把握するために欠かせません。

パレートの法則(80:20の法則)という名で有名です。

例えば、売上上位20%商品で全体の売上の80%を占めるという、一部の商品が売り上げの大部分を占めるという現象を説明したものです。

このことから、全体の売上に大きく貢献している商品(つまり売れ筋商品)とそうでない商品がわかります。

どの商品を重点的に扱えばよいのかが分かり、データを分析する上での深堀ポイントも見えてきます。

パレート図の作り方

作り方は簡単で、先ほどの売上の例(上の図)で説明します。

  • 先ず、商品別に売上を計算し、売上の大きい順に商品を並べます
  • 次に、売上の大きい順に並んだ売上の累積売上を順次計算し、全売上に占める割合を計算します

実際に「80:20」に近しい値になることはありますが、「70:30」や「90:10」など様々です。

特性要因図(フィッシュボーンチャート)とは?

特性要因図フィッシュボーンチャート)とは特性(結果)と要因(原因)に分けてその関係を図で表したものです。

魚の骨に似ているのでフィッシュボーンチャート魚の骨)などと呼ばれています。

深堀すべきポイントを把握する

パレート図と同様に、深堀すべきポイントを把握するために欠かせません。

例えば、ヒストグラムや管理図、散布図などでデータの特徴を理解し、次にパレート図や特性要因図などで深堀すべきポイントを掴むために使用したりします。

深堀すべきポイントを把握するという用途での、パレート図と特性要因図の違いは何でしょうか。

パレート図を使い深堀すべきポイントを把握する例

先ほどのあげた例をもとに簡単に説明します。

パレート図から、少なくとも商品Aは重点的に扱うべき商品ということが分かります。

なぜならば、売上が最大で、商品Aが売上に占める割合が大きく、全体の売上への影響が大きいからです。

そのため、商品Aをより深く分析した方が良いでしょう。

次に、この商品Aの何を分析していけばいいのでしょうか?

フィッシュボーンチャートを使い深堀すべきポイントを把握する例

商品Aをより深く分析した方が良いとなったとき、この商品Aの何を分析していけばいいのか?

例えば、売上(特性)に影響を与える要因を探り、影響の大きな要因に絞っていくと良いでしょう。

売上に影響する要因は色々あるため、その要因を洗い出し整理した上で、どの要因に着目すればいいのかを考えていったほうが良さそうです。

そのために、特性要因図を描き、データがあれば売上と各要因の関係性を数値化していきます。

関係性を数値化する

最も簡単な方法は、売上との相関係数を求めることです。

もしくは、線形回帰モデル(単回帰モデル・重回帰モデル)などの数理モデルを使うのもいいでしょう。

この場合、深堀すべき(重点的に扱うべき)要因は、売上への影響度の大きい周期性(季節要因など)やテレビCM、メルマガ会員向けキャンペーンなどとなります。

このように、通常は複数になります。

今回のまとめ

今回は、深堀すべきポイントやデータ間の関係性を整理する「パレート図」と「特性要因図」について、お話ししました。

データの集計や分析を進めていくと、「どうなっているの?」「もっと知りたい!」など、どんどん深みに突き進むことはよくあります。そのとき、迷子にならずに深掘りすべきポイントを適切に定め、集計・分析を進めていくことは重要です。

このようなときに、「パレート図」や「特性要因図」を使うことで、深堀すべきポイントや、データ間の関係性を整理することができます。

パレート図とは、数値の大きな項目から順番に並べたグラフです。深掘りすべきポイントを把握するために欠かせません。パレートの法則(80:20の法則)という名で有名です。

特性要因図(フィッシュボーンチャート)とは、特性(結果)と要因(原因)に分けてその関係を図で表したものです。魚の骨に似ているのでフィッシュボーンチャート(魚の骨)などと呼ばれています。

どちらも簡単に使えるものです。

データを集計し分析するときに、活用してみてはいかがでしょうか。

第154話|誰でも使えるQC7つ道具その1(ヒストグラムと管理図)

第155話|誰でも使えるQC7つ道具その2(散布図)