第157話|実はみんな使っている新QC7つ道具その1(親和図法)

第157話|実はみんな使っている新QC7つ道具その1(親和図法)

前回までにQC7つ道具について説明してきました。

実はもう1つのQC7つ道具があります。

新QC7つ道具です。

  • 親和図法
  • 連関図法
  • マトリクス法
  • 系統図法
  • アローダイアグラム
  • PDPC法
  • マトリクス解析法

この新QC7つ道具を、新QC7つ道具と認識せずに、ビジネスの現場で普通に使っている人も少なくありません

新QC7つ道具とは?

新QC7つ道具は、QC7つ道具と同様に品質管理で利用されている分析手法です。

QC7つ道具は主に製造現場向けですが、新QC7つ道具は営業部門や企画部門なども対象範囲を広げたものです。

どちらかというと定性データの分析に向いています。

営業部門や企画部門などでは、数値化のしにくい定性的な情報(例:テキストや頭の中にあるアイデア、エライ人の考え、現場の雰囲気など)を扱うことが多いためです。

QC7つ道具と同様に、統計の専門家でもデータ分析の専門家でもない現場の人が使っています

今回は、新QC7つ道具の中で利用頻度の多い「親和図法(KJ法)」について説明します。

親和図法(KJ法)とは?

親和図法は、KJ法とも言われ、よくブレインストーミングで利用します。

ブレインストーミングとは、日本語では集団発想法とも呼ばれ、集団で発想を誘発し合い、たくさんのアイデアを出す会議方式の1つです。

そこで出されたたくさんのアイデアをまとめるのがKJ法になります。

4原則

ブレインストーミングの際に、次の4原則を守ることで、たくさんのアイデアが抽出されます。

結論厳禁:

アイデアの批判、実現性、良し悪しなどの評価をし、アイデアに対し何かしら結論付けをすることで、他のアイデアを出にくくしてはならない

自由奔放:

誰もが思いつくようなアイデアでも、奇妙なアイデアでも、くだらないと一蹴されそうなアイデアでも、他人を気にせず思いついたことをどんどん言う

質より量:

すばらしいアイデアを出そうと思わず、とにかくアイデアの量を増やすことを重視する

結合改善:

他人のアイデアに便乗しちょっとずらしたアイデアでも、他人のアイデアをくっつけて新しいアイデアを作っても構わない

やり方

親和図法(KJ法)そのもののやり方は非常に簡単で、「発散→集約→要約」という流れになります。

発散」が今説明したアイデアをたくさん出すブレインストーミングに該当します。

集約」で似たようなアイデアをグループ分けし、「要約」でそのグループに対し名前を付けします。

この要約されたものが親和図法の成果物となります。

利用場面

親和図法(KJ法)の利用場面は、意外と多いことでしょう。

例えば……

  • データ分析・活用のテーマのもととなる問題(お困りごと)を、洗い出しまとめたり
  • モニタリングや異常検知などの結果から、何が起こっているか思いつく限りを洗い出し、現状を整理したり
  • 要因分析などの結果から、どのような対策を打つのが良さそうか、アイデアを抽出しまとめたり
  • 異常検知や要因分析などのデータ分析の結果から、今後どういうことになりそうかを考えるのに利用したり
  • 将来予測やレコメンドなどの結果から、今度どうすべきかを解決策をまとめたり
  • その解決策を実施することで、どうなりそうなのかを考えまとめたり

……するのに利用します。

やり方は非常に簡単ですが、非常に頭と時間を使うため、まとまった時間で集中してやることをお薦めします

今回のまとめ

新QC7つ道具は、QC7つ道具と同様に品質管理で利用されている分析手法です。

  • 親和図法
  • 連関図法
  • マトリクス法
  • 系統図法
  • アローダイアグラム
  • PDPC法
  • マトリクス解析法

この新QC7つ道具を、新QC7つ道具と認識せずに、ビジネスの現場で普通に使っている人も少なくありません

今回は、新QC7つ道具の中で利用頻度の多い「親和図法(KJ法)」について説明しました。

親和図法は、KJ法とも言われ、よくブレインストーミングで利用します。

ブレインストーミングとは、たくさんのアイデアを出す会議方式の1つで、そこで出されたたくさんのアイデアをまとめるのがKJ法になります。

一度は、ビジネスの現場で使ったことがあるのではないでしょうか。

データ分析・活用でも、頻繁に使う定性分析手法の1つです。

新たなデータ(テキストデータ)を生成する情報生産活動です。

このまま活用するのもいいですが、もう少し深掘りする必要があります。

例えば、親和図法(KJ法)を使い抽出・整理したビジネス上の問題を、さらに具体化するであるとか、具体化された課題の解決策を明らかにするとか、色々な深掘りがあります。

次回は、新QC7つ道具の中にある、深掘りしていく定性分析手法について説明します。

第158話|実はみんな使っている新QC7つ道具その2(系統図法)

第159話|実はみんな使っている新QC7つ道具その3(マトリクス解析法)