第80話|データ活用の現場を知れ! 人の顔の見えない分析にリアリティは望めない

第80話|データ活用の現場を知れ! 人の顔の見えない分析にリアリティは望めない

データ分析結果が活用されない!

このような叫びを多々見ます。何がいけないのでしょうか? 分析のレベルが低いのでしょうか? データがおかしいのでしょうか? 活用する側にやる気がないのでしょうか?

データ分析結果が活用されない要因には色々あります。その一つに、データ分析結果にリアリティがないというもの。

では、どうすれば良いのでしょうか?

少なくとも、現場無視でパソコン上だけでデータ分析をすると、よくありません。

今回は、「データ活用の現場を知れ! 人の顔の見えない分析にリアリティは望めない」というお話しをします。

人が関わるデータ活用では、少なくともデータ活用の現場を知ったほうがよい

人が関わるデータ活用には、マーケティング系や営業系など色々あります。

コンピュータや機械などの中だけで、完結することは少ないです。自動制御やAI(人工知能)でも、最初は人の手でデータ分析を実施することは少なくありません。はっきり言ってしまうと、どう活用しているのか知らないことには、よい分析はできません。現場から乖離した、おかしなデータ分析をしてしまうことでしょう。

よい分析とは、どのような分析でしょうか。

よい分析とは、スゴイ分析ではありません。使ってビジネス成果をだしてもらう分析です。ビジネス成果をだしてもらうと考えると、非常にハードルが高いように感じるかもしれません。

実はそうでもありません。実際のデータ分析を活用している現場を見に行けばよいのです。それだけで、データ分析の質はだいぶ良くなります。

要するに、ディスクワーク中心のデータ分析ではなく、あるときは現場に泥臭く通う必要も出てきます。

そもそも、データは実際に起こったことの一部分を反映したものです。それだけデータ分析をするのは、自ずと限界があります。

そもそもデータ活用されていない場合はどうするのか

データ分析を活用されている現場を見に行け! と言われても、行く先がない! という場合も当然あります。

例えば、実際のデータ分析を活用している現場が「ない」場合などそうです。

他にも、組織としてはデータ分析を活用し成果を出している部署があっても、データ活用している部署では「データ分析活用の現場がない」ケースもあります。

このようなケースは、非常に悩ましいことでしょう。

そういうケースの場合には、「データ分析の活かしどころ」を見つけるところから始めましょう。

データ分析の活かしどころを見つけるところから始める

見に行く「データ分析を活用されている現場」がない場合には、「データ分析の活かしどころ」を見つけるところから始めるとよいです。

さらに、すでにデータ分析の活用がそれなりにできていても、「データ分析の活かしどころ」を見つけるという行動は、素晴らしい成果を生み出します。

「データ分析の活かしどころ」とは、文字通り「データ分析を活かしビジネス成果をあげる何かしらの業務や作業など」です。

「データ分析の活かしどころ」をどうやって見つけるのか。そこが難しいという人もいることでしょう。この「データ分析の活かしどころ」は、データ分析は目的化すると、なかなか見つかりません。

データ分析はあくまでも手段

そもそも「データ分析はあくまでも手段」です。しかし、最近の風潮は「データを使って何かしよう!」という感じなっているような気がします。

つまり、データを使って何かをしよう! ではないということです。データを使わなくてもよいところで、無理くりデータを使っても、面倒だしビジネス成果もそれほど望めません。

では、どうすればよいのか。

最初に考えるべきは、課題を見つけることです。その部署などの課題を見つけたのち、データを上手く使うことで、その課題解決が促進する「課題」を見つけるのです。そこが、「データ分析の活かしどころ」になるのです。

  • ステップ1:データを使う・使わないに関係なく、ビジネス上の課題を洗い出す
  • ステップ2:その中から、データで上手く解決が促進しそうな課題を探す

データを使う・使わないに関係なく「ビジネス上の課題を洗い出す」と考えると、いくらでも課題は出てきます。「データを上手く使って……」という縛りがあると、思考が枠が絞られ、自社の経験ベースや他社の事例ベースの課題しかでてきません。

例えば、いくら他社の成功事例を仕入れても、自社の課題がデータを上手く使って解決することは、あまりないでしょう。そもそも、各社で事情が異なりますし、重要なことや泥臭いことは表にでてきません。

そこである姿勢が、データ分析する側に問われます。

データ分析する側に問われる姿勢

データを使う・使わないに関係なく、ビジネス上の課題を洗い出し、その中から、データで上手く解決が促進しそうな課題を探すと、当然ながら以下の2つの課題に大別されます。

  • データを上手く使わなくても解決する課題
  • データを上手く使うと解決する課題

このとき、データを上手く使わなくても解決する課題は解決するために動けばよいし、データを上手く使うと解決する課題は、十二分にデータ分析をして課題解決すればよい、ということになることでしょう。

そこである姿勢が、データ分析する側に問われます。

データを上手く使わなくても解決できそうな場合、データ分析側がどう動けばよいのか、という問題です。自分の業務の範囲でないと切り捨てるのか、データ分析と関係ないけども関与し自分の仕事を増やすのか。

人によって考え方は様々でしょう。

課題は互いに繋がっている

他の課題から「完全に独立し存在する課題」は少ないことでしょう。多くの場合、ビジネス上の課題は、互いに何かしら繋がっているケースのほうが多いと思います。

私の考えですが、データを「使う or 使わない」で、データ分析する側で、その課題に対する「対応を変える必要はない」と思います。データ分析はあくまでも手段です。目的は、ビジネス成果を出すことです。

おそらく、データを使うかどうかに関係なく、課題解決に知恵を貸せば、多くの場合喜ばれるのではないでしょうか。いやらがられない限り、積極的に動いてもよいではないかと、私は考えています。

そうして、データ活用の現場を十二分に知ることができ、血の通った人の顔の見えるデータ分析を実施することができるのではないでしょうか。意外なところで、データを上手く使うとよい場面に出くわすかもしれません。

今回のまとめ

今回は、「データ活用の現場を知れ! 人の顔の見えない分析にリアリティは望めない」というお話しをしました。

人が関わるデータ活用には、マーケティング系や営業系など色々あります。コンピュータや機械などの中だけで、完結することは少ないです。自動制御やAI(人工知能)でも、最初は人の手でデータ分析を実施することは少なくありません。

はっきり言ってしまうと、どう活用しているのか知らないことには、よい分析はできません。現場から乖離した、おかしなデータ分析をしてしまうことでしょう。

よい分析とは、どのような分析でしょうか。それは、スゴイ分析ではありません。使って成果をだしてもらえるような分析です。

そう考えると、非常にハードルが高いように感じるかもしれませんが、実はそうでもありません。実際のデータ分析を活用している現場を見に行けばよいのです。それだけで、データ分析の質はだいぶ良くなります。

では、そもそもデータ活用されていない場合はどうするのでしょうか。実際のデータ分析を活用している現場が「ない」もしくは「データ分析しようと考えている部署では『データ分析活用の現場がない』」ケースです。非常に頭や悩ますケースです。

そういう場合は、「データ分析の活かしどころ」を見つけるところから始めると良いです。すでにデータ分析の活用がそれなりにできていても、「データ分析の活かしどころ」を見つけるという行動は、素晴らしい成果を生み出します。

しかし、「データ分析の活かしどころ」は、「データ分析を目的化」するとなかなか見つかりません。そもそも「データ分析はあくまでも手段」です。データを使って何かをしよう! ではないということです。

最初に考えるべきは、データに関係なく、その部署などの「課題を見つけること」です。課題を見つけたのち、データを上手く使うことで解決に進めそうな課題を見つけるのです。そこが、「データ分析の活かしどころ」になるのです。

したがって、データを上手く使わなくても解決する課題は解決するために動けばよいし、データを上手く使うと解決する課題は、十二分にデータ分析をして課題解決すればよい、ということになります。

そこである姿勢が、データ分析する側に問われます。データを上手く使わなくても解決できそうな場合、データ分析側がどうするのか、という問題です。

ビジネス上の課題は、あ互いに何かしら繋がっているのが常です。他の課題から、完全に独立し存在する課題は少ないことでしょう。

要するに、データを「使う or 使わない」で、データ分析する側で態度やその対応を変える必要はないということです。データ活用の現場を十二分に知ることができ、血の通った人の顔の見えるデータ分析を実施することができるのではないでしょうかと思います。