第87話|あなたの会社のセールスアナリティクス、どこまで進んでいますか? 現状とこれからを知るためにすべきこと

第87話|あなたの会社のセールスアナリティクス、どこまで進んでいますか? 現状とこれからを知るためにすべきこと

データ分析のマーケティングや営業などでの活用、現在どこまで進んでいるのか、正確に把握していない企業も多いのではないでしょうか。

マーケティングや営業などで、データをまったく活用しないことはないと思います。

例えば、マーケティングであれば、引合件数というデータを眺めたり、白書やシンクタンクレポートから読み取れる市場動向、さらに市場調査をして認知や購入経験などの市場浸透状況をデータとして取得する企業もあるでしょう。

例えば、営業であれば、担当顧客数や受注件数、受注金額などのデータは、かなり身近にあると思います。

つまり、何かしらデータと関わっています。

さらに、ある程度の規模の企業になると、マーケターや営業パーソンの中に、データ分析に興味を持っている人や、データ分析に強い人もいたりします。

しかし、多くの場合、その個人だけのスキルで終わってしまい、社内共有されていないようです。

先ずは、あなたの会社のセールスアナリティクスの活用レベルの現在地を知り、その上で次の打ち手を考えると、少しずつレベルを上げながらデータドリブンな企業へと変貌するのではないでしょうか。

まさに、デジタルトランスフォーメーションです。

今回は、「あなたの会社のセールスアナリティクス、どこまで進んでいますか? 現状とこれからを知るためにすべきこと」についてお話しいたします。

2つの代表的なアプローチ

データ分析の活用レベルを上げる2つの代表的なアプローチがあります。

一つは、約10年前の書籍になりますが、ジム・デイビス等(2007)の「分析力のマネジメント」(ダイヤモンド社)で紹介されている「情報価値を最大化するための5段階」です。

  • レベル1:個人レベル
  • レベル2:部門レベル
  • レベル3:全社レベル
  • レベル4:最適化レベル
  • レベル5:革新レベル

もう一つは、ビッグデータブームとともに注目を浴びたトーマス・ダベンポート等(2011)の「分析力を駆使する企業」(日経BP社)で紹介されている「分析力を駆使する発展の5段階」です。

  • 段階1:分析力に劣る
  • 段階2:分析力の活用が限定的
  • 段階3:分析力の組織的な強化に取り組む
  • 段階4:分析力を備えている
  • 段階5:分析力を武器にしている

この2つのアプローチは似たような部分もありますが、よく2つのアプローチを掛け合わせた表を作り、現状どの位置にあり、理想をどこに置き、その理想に向け、現実的な短期目標をどこに置き、当面の中長期目標をどこに置くのか、などを考えることがあります。

カスタマイズしよう

2つのアプローチの掛け合わせでも、どちらか1つだけでも構いません。

重要なのは、自社にあったアプローチを選択し、各レベルは自社にあうように作り変えることです。この2つのアプローチは汎用的なものです。実際には、具体的な組織名や個人名、具体的なデータや成果を記載します。

結果的に、2つのアプローチと全く同じになっても構いません。自社に当てはめて考えることが重要です。

そして、データ分析の活用の輪を小さくはじめ大きく波及させる「波及戦略」を構想しましょう。

セールスアナリティクスの波及戦略

セールスアナリティクス、つまり、マーケティングや営業などのためのデータ分析は、小さくはじめ大きく波及させると、上手くいきやすいです。

パワープレーで、いきなり全社展開という手もありますが、堅実にいくなら小さくはじめ大きく波及させる波及戦略をお薦めします。

この「波及戦略」を考えるとき、組織の横展開による波及もあれば、データ分析のテーマとなる課題を増やすことによる波及もあります。

幾つかの事例

簡単によくある事例を3つほど紹介します。

  • 事例1:データを集めている意識のなかった、某大手食品メーカー
  • 事例2:データ基盤は整えたけど、活用できていない某大手運輸企業
  • 事例3:データサイエンス部署を作ったけど、事業貢献できていない某大手小売りチェーン

事例1:データを集めている意識のなかった、某大手食品メーカー

この企業は、もともとデータ分析への関心や意識がほとんどありませんでした。

しかし、世間でビッグデータだのAIだのデジタルトランスフォーメーションだのと騒がれたため、経営陣が「我が社でも取り組もう!」となりました。

データ分析の関心が低いということは、その分析対象であるデータ収集の意識も、当然ながら低いです。自社にどのようなデータがあるのかも、あまり把握していませんでした。

現状は、「レベル1:個人レベル」かつ「段階2:分析力の活用が限定的」です。

データ分析の意識が非常に低かったのですが、約1名意識の高い方がおり、1ライセンスだけSPSSという有償のデータ分析ソフトが購入され、さらにその方のPCにはRやPythonというフリーのデータ分析ツールがインストールされていました。

とりあえずの短期目標として、「レベル1:個人レベル」を「レベル2:部門レベル」に引き上げようとなりました。

事例2:データ基盤は整えたけど、活用できていない某大手運輸企業

この企業は、競合他社がデータ分析の成功事例を目にするにあたり、自社でもやろうということで、DMP(データマネジメントプラットフォーム)の構築と、全社的なBI(ビジネスインテリジェンス)ツールの導入を実施していました。

つまり、データ基盤とそのための分析基盤がすでにある状態でした。

幸いにも、今までパワーポイントとExcelで作っていた定期レポートやグラフ類の作業が大幅に削減され、単に削減されただけでなく時間も大幅に短縮されるようになりました。そして、定期レポートやグラフ類などに対する解釈に割く時間が増えました。

問題は、その先のデータ分析のビジネス活用が、思うように進んでいないことでした。ITインフラを整えたけど、思ったほど活用できていないということです。

現状は、「レベル3:全社レベル」かつ「段階2:分析力の活用が限定的」です。

自社内で人財を探しましたが、不幸にも、データ分析人財が皆無でした。

とりあえずの短期目標として、「段階3:分析力の組織的な強化に取り組む」に引き上げようとなりました。

先ずは、簡単な成功事例作りと、その成功事例を利用した社内教育、そして即戦力人財を数名中途採用することになりました。

事例3:データサイエンス部署を作ったけど、事業貢献できていない某大手小売りチェーン

即戦力人財の中途採用と社内公募、今までの職歴を参考した異動により、データサイエンス部署を設置しました。

しかし、データサイエンス部署設置後、なかなか事業貢献できず悩んでいました。

現状は、「レベル2:部門レベル」かつ「段階1:分析力に劣る」です。

経済新聞に掲載されるほど華々しくスタートしたのですが、人財がいれども成果出ずの状態でした。最初からインパクトの大きな成果を狙いに行ったのがよくなかったようです。

とりあえずの短期目標として、「段階2:分析力の活用が限定的」に引き上げようとなりました。

先ずは、簡単な成功事例を10以上作り、その成功事例を社内で発表する場と時間を作り、データ分析を活用する部署やその協力人財などを募ろうということになりました。

今回のまとめ

今回は、「あなたの会社のセールスアナリティクス、どこまで進んでいますか? 現状とこれからを知るためにすべきこと」についてお話しいたしました。

少しずつレベルを上げながらデータドリブンな企業へと変貌するために、2つのアプローチを紹介しました。

ジム・デイビス等(2007)の「分析力のマネジメント」(ダイヤモンド社)で紹介されている「情報価値を最大化するための5段階」:

  • レベル1:個人レベル
  • レベル2:部門レベル
  • レベル3:全社レベル
  • レベル4:最適化レベル
  • レベル5:革新レベル

トーマス・ダベンポート等(2011)の「分析力を駆使する企業」(日経BP社)で紹介されている「分析力を駆使する発展の5段階」:

  • 段階1:分析力に劣る
  • 段階2:分析力の活用が限定的
  • 段階3:分析力の組織的な強化に取り組む
  • 段階4:分析力を備えている
  • 段階5:分析力を武器にしている

あなたの会社のセールスアナリティクスの活用レベルの現在地はどこでしょうか。

あなたの会社のセールスアナリティクスの活用レベルの理想(10年後)はどこでしょうか。

理想は理想です。

その理想に近づくために、現実的なとりあえずの短期目標(1年後)はどこでしょうか。

その先の中長期目標(3年後と5年後)はどこでしょうか。

このあたりが整理されると、少しずつレベルを上げながらデータドリブンな企業へと変貌するのではないでしょうか。デジタルトランスフォーメーションです。

ビジネスデータサイエンス支援カンパニー
株式会社セールスアナリティクス